about

1996年に写真家河原雅夫が立ち上げた写真集団FOTOは、弟子であるわたくし大東佐和子が、2017年よりその意思を引き継ぐこととなりました。河原雅夫氏も引き続きメンバーのひとりとしての作品制作活動は継続されますが、主導的な立場から関わるということについては、2016年で一区切りつけた形となります。

わたくし大東は1997年にFOTOのメンバーとなり、第2回目より写真集団FOTO展に参加してきましたが、その経験を活かしつつ、「今」という時代と写真との関係をあらためて見直していきたいと思います。

今の写真の世界は、他のものづくりの世界と比べると、デジタルだ、アナログだと、その技術や機材に重きを置いて比較されたり、優劣を論じられたりしがちですが、私はそれがとても残念でならないと常々感じています。

作品を見るとき、語るときに大切なことは、その作品に輝きがあるかどうか、人を引き付ける魅力があるかどうか、簡単に言えば、良くても悪くても好きでも嫌いでも巧くても下手でも、とにかく何か感じるものがあるのか?ないのか? それ以外に大切なことなんてないのではないでしょうか。

駆使した技術や制作にかけた時間や高価なカメラ機材などではなく、目の前にある「作品」からきちんと何かを感じられる自分の感性を大切にするメンバーが集まった写真集団FOTOにしていきたい。今一度、ものづくりの原点に戻りたい。戻らねばならないと思うのです。

どんなものづくりにも共通するたいせつなことを見失わなければ、写真は使う機材や技術の囲いから解き放たれ、見に来てくださったお客さまの目の前に、ただあるがままの一枚の「写真」として存在することができるはず。 そんな写真展を毎年続けていけたら、とても素敵なんじゃないかなと思っています。



写真集団FOTOは、写真作品の制作〜展示〜発表のグループです。 1993年より開講している「FOTO写真講座」の在講生と修了生の方たちがおもなメンバーですが、メンバーの友人知人で写真制作をしている方も主旨に賛同して参加してくれています。

大東佐和子

写真集団FOTO主宰 大東 佐和子